相続インフォメーション

船橋のあしたば法律事務所の弁護士 田村誠志が、相続問題について説明します。

公正証書遺言とは何か。

今日は、遺言の中でも公正証書遺言を取り上げます。私は、遺言をするならまずは公正証書遺言を検討するのがよいと考えています。

遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がありますが、通常考えるのは、自筆証書遺言か公正証書遺言かと思われます。

公正証書遺言は、公証役場で、公証人の関与の下で作成する遺言です。

公正証書遺言には以下のメリットがあります。

①公証人は裁判官を退官した方など、法律の専門家が就任しているので、遺言の方式や内容に不備があって無効となる可能性が少ない

②作成された遺言書は公証役場に保管されるため、なくなったり改ざんされたりすることがない

③自分で文字が書けなくても遺言が作成できる

④自分の死後、家庭裁判所で遺言の検認の手続をとる必要がない

方式や内容に疑義があると、遺言無効などで相続人が争う火種になりますし、遺言を見つけた相続人が隠れて遺言の内容を改ざんしてしまうと遺言者の意思は反映されなくなってしまいます。

一方、公正証書遺言を作成するためには公証役場に一定の手数料を支払う必要があります(日本公証人連合会HPに手数料の説明が載っています)。

手数料がかかるものの、上に掲げたようなメリットがありますので、通常、私は公正証書遺言をおすすめしています。もちろん、相談を受ける中で個別の事情から自筆証書遺言を選択することもありますので、まずは気になったことがあれば弁護士にアクセスするとよいかと思います。

 

あしたば法律事務所: https://www.ashitaba-law.com/

相続人は誰になるのか。

亡くなった方の遺産の相続人が誰になるかを説明します。

まず、亡くなった方(Aさんとします)の①配偶者(夫が亡くなったときの妻、妻が亡くなったときの夫。内縁や事実婚ではなく入籍している必要があります)が相続人になります(民法890条)。もちろん、亡くなった時点で配偶者でなければならないので、離婚している配偶者は相続人になりません。

 

続いて、②Aさんに子がいれば、その子が相続人になります(民法887条)。これは実子でも養子でも関係なく相続人になります。子が何人いても、全て相続人になります(相続欠格や廃除の場合を除きます)。

この点、子がAさんの死亡時にすでに亡くなっていた場合、その子にまた子がいれば(Aさんからみて孫)、その孫が相続人になります。これを代襲相続といいます(民法887条2項)。これはさらに先の曾孫(ひまご)や玄孫(やしゃご)についても同じです。

 

そして、子や代襲相続する者がおらず、③かえって亡くなったAさんに親がいれば、その親が相続人になります(民法889条1項1号)。さらに、親がAさんの死亡時にすでに亡くなっていた場合、もし祖父母がいれば、その祖父母が相続人になります。その先も同様です。

 

Aさんに子(孫)や親(祖父母)がいない場合、もし④兄弟や姉妹がいれば、その兄弟や姉妹が相続人になります(民法889条1項2号)。兄弟や姉妹が亡くなっていても、その子が生きていれば、その子が相続人になります(民法889条2項)。ですが、兄弟姉妹については、その孫にまでは代襲相続はありません。

 

ここまでまとめると、

①配偶者は必ず相続人となり、

他には②子がいれば子(子が先に亡くなっていても孫が生きていれば孫)、

③子や孫・曾孫がいなければ親(親が先に亡くなっていても祖父母が生きていれば祖父母)、

④子や孫、親や祖父母がいなければ兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっていてもその子が生きていれば子)

が相続人となります。

 

【細かい話】

先ほど、亡くなったAさんの子が実子でも養子でも相続人になるのは同じと説明しましたが、実は代襲相続(孫・曾孫など)については同じにならない場合があります。

Aさんと養子縁組した後に生まれた子(Aさんの孫)については、代襲相続があるのですが、養子縁組前に生まれていた子については代襲相続はありません(民法887条2項ただし書)。養子縁組による親族関係は養親側の親族と養子との間にしか発生しないからです(民法727条)。

養子縁組前に養子に子がいた場合、この子に遺産相続をさせようと思ったら、そのような遺言書を書くか、その子とも養子縁組をする必要があります。

 

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ご挨拶。

 

はじめまして。

相続インフォメーションのブログにアクセスいただき、ありがとうございます。

千葉県船橋市の弁護士、田村 誠志(たむら まさし)です。

船橋市内で「あしたば法律事務所」を経営しています。

 

このブログでは、遺産分割、遺言、相続放棄遺留分といった、遺産相続に関わる有益な情報をお知らせしていきたいと思っています。

 

記事は順番に作成していきますので、情報が整うのは少し先になるかもしれませんが、お付き合いくださいますようお願い申し上げます。

 

なお、記事に関するお問い合わせは、事務所(電話:047-455-3944)までくださいますよう重ねてお願い申し上げます。

 

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